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気象条件の予測
この気象条件の予測については、滑空技術以上に遅れている。外国の場合には、ゲオルギー博士をはじめ多くの気象学者がグライダー気象に特に力を入れているので、滑翔技術と平行して発達している。
競技会などの課目の決定についても、上昇風の強さ、発生の時刻、地域的な強さの比較等が予測されるので、簡単に課目の設定ができるのである。この課目設定がよいと、だいたい70〜80%がスタート飛行場に帰着するようなタスクを設定できる。この設定する場合の気象資料は、次のように観測をしている。
低高度では……模型飛行機
高高度では……ロケット
広範囲にわたっての観測は……人工衛星を使用して気象変化の移動を前もって予測している。
私たちの日常の飛行に対しては、曳航機によって、早朝もっとも必要な気温の逓減率を測定し、これによって日中の飛行計画を立てるべきである。
気象の観測と予測
夜中に放射冷却で逆転層が発生しているかどうかを、何かの方法で観測する。飛行機やモーターグライダーがあれば、それを利用して観測する。このとき、できれば、各高度の温度のみならず、風向・風速を測定する。付近に測候所があったら、温度・風向・風速等のデータを入手する。
野外飛行にスタートする時機は、この逆転層のとれる時期、すなわち、逆転層のある高度の温度から、地上に向かって乾燥断熱線を引く。乾燥断熱線は高度100m上るごとに、気温が1.0°ずつ減るものと考えると、4−5図では、地上で24℃が得られる。観測後、地上気温が実際に24℃に達したならば、観測時の逆転層は消滅し、野外飛行へのスタートが可能となる。
なお、コース上に、不連続線、海陸風の影響、あるいは予想される上昇風の強さ等について、近くの観測所から情報をもらうことが望ましい。

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